プレスリリース

当社共同研究先との研究成果のオンラインジャーナルへの掲載について

2022年11月10日

UBE三菱セメント株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小山誠、以下「当社」)と幌延地圏環境研究所(以下、H-RISE)は、地下の原位置環境で未採掘となっている石炭(褐炭)を、微生物の作用によりバイオメタンに変える「バイオメタン鉱床造成/生産法(Subsurface Cultivation and Gasification法; 以下、SCG法)」)の技術開発などを目的として、2013年より共同研究を実施しております。当社は、北海道道北地域に保有する石炭鉱区を本共同研究の原位置試験フィールドとしてボーリング作業を実施、一方のH-RISEはボーリング孔を利用して、褐炭層中の微生物活動や石炭のボーリングコア試料を用いた基礎研究を実施してきました。

これまでのH-RISEの基礎研究において、褐炭を酸化剤(過酸化水素)で低分子量有機物(ギ酸、酢酸、コハク酸など)に分解し、この溶液中にH-RISEで培養されている微生物を添加することで、メタン生成を確認しましたが、メタンの生成速度は緩慢なものでした。このたび、溶液中に微生物のみを添加する手法の比較実験として、溶液中に褐炭粉末を添加した条件下でメタン生成量を検証したところ、約50倍のメタン生成量の増加率を確認し、今後のバイオメタン生成量の加速化に繋がることが期待されます。この研究成果については、世界的に影響力のあるMDPI社のオンラインジャーナル「Microorganisms」に掲載されました(http://www.h-rise.jp/)。

本共同研究では、地下環境での微生物の作用を解明するための基礎研究が行われており、この研究成果の他にも、地下圏でのバイオメタン生成プロセスに関する新たな知見も得られつつあります。SCG法により、国内外に賦存する未利用資源である褐炭の有効利用の可能性が広がることに加えて、褐炭層から得られる微生物によるバイオメタネーションへの展開も期待するところです。本共同研究は基礎研究の段階ですが、当社は地球環境負荷低減に結び付く研究と位置付け、引き続きH-RISEとの共同研究を進めていきます。

以 上

褐炭からのバイオメタン生成の加速化に繋がる方法を発見[PDF:687KB]

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