バイオマス炭化燃料

MUCCトレファイドペレット®

MUCCトレファイドペレット®は木質バイオマスを低酸素濃度雰囲気において比較的低温度で焙煎して得られる固体燃料です。焙煎しない木質ペレットに比べて耐水性、粉砕性を大幅に向上させたカーボンニュートラル燃料です。

一般的な木質バイオマスを石炭火力発電所で石炭と混焼する場合には、専用のハンドリング設備が不可欠でしたが、MUCCトレファイドペレット®は石炭同等のハンドリング特性を有しており、石炭との混焼が容易で木質バイオマス専用のハンドリング設備が不要です。また、木質ペレットは石炭との粉砕性が大きく異なるため、微粉炭火力発電所での石炭との混焼率は一般的に3 cal.%程度が上限と言われていますが、MUCCトレファイドペレット®は10 cal.%以上で混焼することが可能です。

用途
環境・エネルギー
発電用燃料

製造プロセス

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図1 製造プロセスの概要

製造プロセス(図1)では、トレファクション(焙煎)の過程で木質ペレットから発生する熱分解ガスを燃焼炉で完全燃焼させた後にロータリーキルンの外熱ジャケットに導入し、加熱用熱源として利用しています。また、キルン出の排ガスからの熱回収も行い、化石燃料の使用を大幅に抑えた製造プロセスとしています。

図2 MUCCトレファイドペレット®製造工場
(山口県宇部市、生産能力 6万ton/年)

石炭との混焼性能

図3 竪型ミルの概略図

微粉炭火力発電所で使用されている竪型ミルと同型の試験機(図3参照)を用いて、石炭との混合粉砕試験を実施しました。木質ペレットでは添加率が3 cal.%以上で安定運転の指標とされるミル差圧は発散してしまいました。一方、MUCCトレファイドペレット®では添加率を15 cal.%としてもミル差圧の上昇は抑制され、竪型ミルの運転は安定していることが分かります。

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図4 ミル差圧(石炭単味時との相対比)に及ぼす添加率の影響
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図5 216MW発電所

MUCCトレファイドペレット®を2019年12月から図5に示す自社216MW発電所(IPP発電所、微粉炭火力)で石炭と混焼させて二酸化炭素排出削減に貢献しています。

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