やってみよう! セメント実験教室

セメント実験&ペーパーウェイト工作

セメントと水を混ぜるとドロドロの状態になります。でも、時間がたつと石のように固まるのはなぜでしょう? 泥団子のように水分が蒸発して乾燥するからでしょうか。実はそうではありません。セメントを使ったペーパーウェイト工作で、そのひみつに迫ります!

注意事項

  • セメントの実験や工作は子どもだけでは行わず、必ず大人と一緒に行うこと
  • セメントは強いアルカリ性で目に入ると危険なため、必ず保護メガネをかけて行うこと
  • セメントの粉を吸い込まないよう必ずマスクをして行うこと
  • ゴム手袋をして行うこと。もし、皮膚などに固まっていないセメントが付いてしまったら、すぐに水でよく洗い流すこと
  • 机や道具類にセメントが付かないよう注意すること
  • 使い終わったセメントの処理はお住まいの自治体の指示に従うこと

準備するもの

材料

  • セメント

道具

  • 保護メガネ
  • マスク
  • ゴム手袋
  • 紙コップ
  • プラカップ(紙コップで代用可)
  • はかり
  • 割りばし
  • キッチン用温度計
  • セロハンテープ
  • シリコン型
  • 紙やすり(100〜200番)
セメントはホームセンターや100円ショップなどでも購入できます。固まるのが早い速硬性のものがおすすめです。
保護メガネ、マスク、ゴム手袋は必ず用意しましょう。

実験①最適な水の量を探し出そう

セメントの種類や用途によって、混ぜる水の量は変わってきます。ペーパーウェイト工作の前に、まずは用意したセメントに最適な水の量を実験して調べてみましょう。固まるまでの様子を観察すれば自由研究にもなりますよ。

①実験するセメントと水の量を決める

今回は例として、セメント50gに対して水の量を15mL〜35mLまで5mLずつ変えて実験。セメントの種類によっても変わってくるので、いろいろ試してみましょう。

②セメントと水を量る

セメントは紙コップ、水はプラカップにそれぞれ入れて量ります。

③セメントに水を入れて混ぜる

割りばしを使って混ぜます。割りばしを縦横に切るイメージで動かしたり、回したりしてよく混ぜましょう。

④定期的に観察する

混ぜた直後の質感に加え、時間経過によって表面の様子や固まり具合がどう変わるか観察してみましょう。紙コップを傾けたり、割りばしで表面をやさしくつついてみたりするとちがいがわかりやすいかもしれませんね。

結果は?

今回実験したセメントでは、セメント50gに対して、水15mLを入れると団子状のかたまりになりました。一方、水20mL以上だと型である紙コップの形のかたまりができました。割りばしで混ぜたときの質感としては、水20mL以上だとねばり気の強い状態で、水35mLだとかなりゆるい状態でした。

セメント50gに対して、左から水を15mL、20mL、25mL、30mL、35mL入れてよく混ぜたもの。ここから1時間、2時間……1日と時間の経過でどのように変化していくか観察してみましょう。

これらのことから、今回使用したセメントに対する水の量については、以下のように考察できます。

● ねばり気がほしいときは、 セメント50gに水20mL(セメント:水=5:2)
● 形状が細かい型に流し込みたいときは、 セメント50gに水30mL(セメント:水=5:3)

実験② 温度変化を調べてみよう

ところで、セメントと水を混ぜたとき、紙コップが温かくなったことに気づきましたか? これこそがセメントと水を混ぜたときに固まるひみつ。次はこの温度変化を調べてみましょう。

①紙コップに温度計を付ける

紙コップの底のフチに切れ込みを入れて折り、温度計の先を通します。温度計の先が紙コップの底に当たるようにしてセロハンテープで固定します。

②セメントと水を計量する

セメントと水を計量します。ここでは、実験①の結果から、セメント50gに対して水25mLを混ぜて固めるときの温度を調べます。

③水を混ぜる前の温度を記録

温度計を付けた紙コップにセメントを入れ、温度計の数値を記録します。温度計が示す数値が安定するのを待って、温度を記録しましょう。

④水を混ぜ、温度変化を記録する

温度計を付けた紙コップに水を入れてよく混ぜ、10秒ごとに温度計の数値を記録していきます。

POINT:表面温度を測ってもOK!

表面温度を計測する非接触タイプの温度計があれば、表面温度も測ってみましょう。

結果は?

今回の実験では、 50gのセメントに25mLの水を混ぜると1分程度の間に約2℃温度上昇することがわかりました。実験①で感じた「温かさ」は気のせいではありませんでしたね。

セメントに水を混ぜたときの温度変化を表したグラフ
水を混ぜた直後は温度が下がり、そこからじわじわと温度が上昇。今回の実験では、最終的には23.1℃まで上昇しました(約5分後)。

POINT:水を混ぜたセメントが固まるひみつは?

水とセメントを混ぜると熱が発生するのは、「水和反応」という化学反応が起きているためです。この水和反応によってセメントを構成する成分が別の成分へと生まれ変わります。つまり、ドロドロになったセメントが固まるのは乾燥するからではなく、“化学変化で別のものに生まれ変わるから”と言えます。

【工作】セメントでペーパーウェイトをつくろう

セメントが固まるしくみがわかったところで、ここまでの実験の結果をふまえながら、セメントを使ったペーパーウェイトづくりにチャレンジ! セメントは、丈夫で自由に成型できるからペーパーウェイトにぴったり。形やほかの材料との組み合わせを工夫して自分だけのペーパーウェイトをつくりましょう。

①セメントと水を混ぜる

実験①で導き出したセメントと水の最適なバランスをもとに用意しましょう。

②シリコン型に流し込む

表面ができるだけ平らになるようにそっと流し込みます。

③型からはみ出した部分を削る

完全に固まる前に、割りばしなどで削り取りましょう。

④しっかり固まるまで待つ

セメントや水分量、周囲の環境によって固まるまでの時間は異なりますが、目安として2日ほど置いておきましょう。固まったら型から取り出します。

⑤やすりがけする

鋭いところを、紙やすり(100〜200番)で削ってなめらかにします。粉が出るので吸い込まないように注意しましょう。

 

完成 完成!

POINT:いろいろな型でつくると楽しい♪

セメントは自由に成型できるのも長所。好みのシリコン型でいろいろな形のペーパーウェイトをつくってみましょう。


【発展】アイデアしだいでいろいろつくれちゃう!

ちょっとした工夫で使い方がさらに広がります。自由な発想でいろいろつくってみましょう!

アイデアその①取っ手付きペーパーウェイト

まずは型にセメントと水を混ぜたものを半分だけ入れ、固まったら上にネジを立てて、残り半分をネジの頭がうまるところまで流し込みます。固まったら型から取り出し、ネジに取っ手をつければ完成です。

ネジが倒れたり汚れたりしないように、そっと流し込みましょう。固まったら、ネジに取っ手を付けて完成!

アイデアその②ペーパーウェイト兼ペン立て

割りばしでペンをはさみ、輪ゴムで固定します。型にセメントと水を混ぜたものを流し込み、その上から割りばしではさんだペンを立て、固まるのを待ちます。型から取り出し、やすりがけしてなめらかにすれば完成です。

セメントと水を混ぜたものが完全に固まると、立てたペンが抜けにくくなる場合があります。セメントがある程度固まったらペンを抜いておきましょう。また、ペンは抜きやすい形状で、汚れても問題ないものを使いましょう。

監修

大山光晴/秀明大学教授

高等学校の物理教諭、千葉県教育委員会指導主事、千葉県立長生高等学校校長等などを経て、現在、秀明大学学校教師学部教授として「理数探究」や「総合的な学習の時間」の指導方法について講義・演習を担当。科学実験教室やテレビの実験番組等への出演も多数。