気候変動対応

1.課題認識・取組姿勢

近年、産業活動に伴う温室効果ガスの増加により地球温暖化が進み、異常気象の頻発など、社会や経済への影響が広がることが懸念されています。こうした背景から、産業活動における温室効果ガスの削減は、企業にとって重要な課題となっています。
セメントは、社会インフラを支える基礎素材である一方、製造工程で多量の温室効果ガスを排出するという特性があります。具体的には、石炭などの燃焼に伴う熱エネルギー由来のCO2に加え、原料である石灰石の脱炭酸反応によるプロセス由来のCO2も発生するため、構造的にCO2排出量が大きくなります。当社では、この産業特性を踏まえ、脱炭素化への対応を、事業の持続性と競争力を高める重要な経営課題と位置づけています。
非化石エネルギーへの転換に加え、製造工程で発生するCO2を回収・活用する技術の開発・事業化を通じて、脱炭素化が進む社会においても安定的に価値を提供できる事業構造の構築を目指しています。
単なる排出削減にとどまらず、技術と事業の両面からセメント産業全体の脱炭素化に貢献することを基本姿勢として、長期的な視点で取り組みを進めています。

2.施策

温室効果ガス排出の削減に向け、当社では、CO2を「①減らす」・「②集める」・「③使う」・「④溜める」施策を柱として取り組んでいます。

(1)エネルギー転換の推進(「①減らす」)

セメント製造における焼成工程において、熱エネルギー代替廃棄物などの活用を進めるとともに、都市ガスや将来のカーボンフリーエネルギー(アンモニア、水素、e-メタン等)への転換を段階的に進めていきます。
これにより、石炭などへの依存度を低減し、熱エネルギー由来CO2排出削減を推進しています。

(2)CCUS(CO2回収・利用・貯留)の早期事業化(「②集める」「③使う」「④溜める」)

セメント製造工程で発生するCO2について、回収技術の確立を進めるとともに、回収したCO2を資源として活用する「利用(CCU)」の実用化・事業化の検討を進めています。関係自治体や企業との連携を通じて、CO2の有効利用を視野に入れた事業モデルの構築を目指しています。
また、CO2の大気中への排出を防ぐために適切に貯留する「貯留(CCS)」は、温室効果ガス排出削減の現実解として位置づけ、政府機関や関係企業等と連携を通じて、脱炭素社会に貢献する事業モデルの構築を目指しています。

(3)GX製品・低炭素製品の市場投入(「①減らす」「③使う」)

低炭素セメントをはじめとする環境配慮型製品の開発・販売を進め、製品を通じて社会全体の温室効果ガス排出削減に貢献していきます。
建設分野における脱炭素ニーズに応えることで、新たな市場の創出と事業成長の両立を目指します 。

(4)カーボンニュートラルモデル工場の実現(「①減らす」「②集める」「③使う」「④貯める」)

山口工場宇部地区をモデルケースとして、エネルギー転換やCCUSをはじめとする新技術の導入検討を集中的に進め、将来的なカーボンニュートラルの実現を見据えた取り組みを推進しています。

3.目標・KPI

当社では、中期経営戦略期間を見据え、以下の指標を設定し、進捗状況を継続的に管理・開示していきます。

・GHG排出削減
2030年度 40%削減(2013年度比)
2050年度 カーボンニュートラル
・熱エネルギー代替率
2028年度 37%(廃棄物等)
2030年度 50%(廃棄物等)
2050年度 100%(廃棄物等 50% + カーボンフリーエネルギー* 50%) *アンモニア、水素、e-メタン等

カーボンニュートラル実現に向けた移行計画(ロードマップ)に基づき、この温室効果ガス削減に向けた施策の実現を目標に掲げ、進捗状況を継続的に管理・開示していきます。

4.取り組み

  • 廃棄物などを活用した熱エネルギー転換の拡大
  • 低炭素エネルギー活用(天然ガス)に向けた検討・実証
  • 次世代カーボンフリーエネルギー活用(アンモニア、水素、e-メタン等)に向けた検討・実証
  • メタネーションや炭酸塩化などのカーボンリサイクル技術の開発・実証
  • 建設会社などとの連携による低炭素製品の実工事への適用
  • CCS事業化に向けた検討

これらの取り組みを通じて、技術開発と現場での実装を着実に進めていきます。
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